欲しがりません勝つまでは

枢木の一等兵時代のバイオレンスな性生活を好き勝手に捏造。処女でも童貞でもありません。

 

牝狗

 

ああんって甘ったるい声。軽視している名誉に背後から獣のように犯されながら善がり狂うお前らだって所詮ただの肉の塊に過ぎない。(そこに種族の差なんてない)(セックスのまえでひとは平等だ)あっ、あっ、もっとぉ。ぐちゅりと卑猥な音。深く穿てば、女は感極まった声をあげて果てた。痙攣する膣内はとてもきもちがいい、けれどまだイけない。(こんなものじゃ足りない)くたりとシーツの海に沈みこむ女の尻だけを突き上げさせて、絶頂の余韻に浸るなかを掻き乱した。顎を伝った汗が、女の白い背中に落ちる。もうだめと云いながら女はスザクの動きにあわせるように腰を振った。(なにがだめだこのすきものめ)さっさと射精して寝よう、明日も早いのだから。

 

07/02/18

 

弾丸飛び交う

 

血と硝煙のにおいがする。同僚が放った精液を飲み下しながら、スザクはそんなことを思った。天幕の外では未だに銃声の音が遠く聞こえた。

「わりぃ・・・出しちゃった」

同い年の少年は罰が悪そうに股に貌を埋めているスザクを見下ろすと、律儀にあやまった。

「いいよ、それより続きしよ」

スザクは手の甲で口元を拭うと、立ち上がって噛み付くようにキスを仕掛けた。少年はスザクの唇から伝わる自分の精液の味にうぇと顔を顰めながらも、絡められる舌のやらしさに煽られるままに接吻けを深いものへとしてゆく。一度性を放ち萎えた少年の性器が再び勃起してゆくのをスザクは大股越しに感じると、堪らないといった風に咽喉を鳴らした。

(はやく欲しい)

ぐちゃぐちゃに突き上げられて掻き乱されて、その衝撃を想像してスザクの性器もまた固く張り詰め窮屈な軍服を押し上げる。じわりと滲む精液がむず痒い。スザクのそれが形を変え始めたことに少年の興奮もまた増したようだった。荒々しくベルトのバックルを外し、下着のなかへと節くれだった軍人の手を進入させると、奥深く秘められた蕾を花開かせるように指の腹で愛撫する。ぞくぞくとスザクの背筋を背徳的な快楽が電撃のように走る。

(あ、もう)

少年の指が突き入れられると同時にスザクは射精した。どろりとした精液が前から後ろへと伝い、なまあたたかさにスザクはちいさく呻くと「もういれて」と少年の肩に噛み付くのであった。

 

07/02/18

 

予言

 

「あんたは可愛い貌しているから、皇族方の愛妾の座でも狙えば?」

自分より四歳上の艶やかな黒髪の女は赤い舌を見せてそう笑った。軍服のスカートを大股までずりあげて、はしたなく僕を喰らう。肌蹴たブラウスから豊かな乳房が触ってと云わんばかりに揺れていた。片手で揉みしだくと、擽ったそうに女が咽喉を鳴らし、腰を揺らめかす。

「ねぇ、スザク。皇女殿下でも孕ませて見せなさいよ。そしたらあんた、イレブンの英雄よ」

「くだらない」

「そうかしら。手っ取り早い復讐法だと思わない。あたしたち日本人の血をブリタニアのなかに組み込むの。国が消えても血が残る」

女は妖艶に笑み、真っ赤なルージュがきらきらと輝く唇を重ねてくる。あつい舌が歯列をなぞり、どちらのものとも知れぬほどに交じりあった唾液が顎を伝った。

「ね、繋いでもいい?」

銀色に輝く手錠をじゃらりと鳴らしながら、上目で女がねだる。サディスティックな傾向があるこの女はよくこういった行為をスザクに望んだ。別段断る理由も無かったので、スザクは諾と頷いた。女は嬉々と睛を輝かせて、スザクの両手首に手錠を嵌めると、陵辱にかかる。女の唇が、舌が、素肌を辿ってゆくのを感じながら、スザクは目蓋を閉じた。

(この薄汚い父殺しの血を日本人の血として残してなるものか)

 

07/02/18

 

乱交パーティ

 

名誉なんて所詮使い捨て。前線へと送り出されることなど日常茶飯事。血と硝煙の腐敗したにおいが染みついてとれることは無い。戦場において殺す・食べる・寝る・そしてセックスぐらいしかすることがない僕らの貞操観念は酷く薄い。セックスは愛情を確かめあう男女間の交わりなんて誰も信じてなんかいない。まるでスポーツ感覚。気の合う仲間と昂ぶった衝動を弾けさせて、そうして終わり。事が終われば睦言を囁くことも無く、至ってドライにお互いに背を向けて寝る。それは男であっても女であっても同じこと。人を殺した後は無性に誰かを抱いたり抱かれたくなる、そうはじめに零したの誰であったか。紫煙とアルコール、其処彼処に散らばった空き瓶にやけにハイテンションな男女の群れ。今日もまた沢山殺して生き延びた、その祝杯を飲み干しながらまるで酒池肉林のように戯れる。安くて純度の高い酒に咽喉が妬け、潤すように他人の舌を求めた。ふっ、ふふふふ。あはははは。頬をアルコールで朱に染めた女が僕のうえに跨りながらきゃらきゃらと笑う。女の胸元を肌蹴させていると、後ろから伸びてきた男のおおきなてのひらが、形を確かめるように股間を揉んだ。直接的な刺激に、一気に熱があがる。形を変えてゆく僕自身に視覚を煽られたのか、女はおもむろに屈みこむと、ズボンのジッパーをやらしく歯でさげると、下着のうえから緩く勃ちあがりはじめている性器を唇で咥えた。焦らすように歯を立てられ、じわりと精液がやらしい染みをつくる。その様に男は低く笑って「淫乱」と耳朶を舌でなぞりながら弄るようなセリフを吐く。意趣返しと云わんばかりに、背後から自分を抱きかかえる男のズボンへとてのひらを進入させると、強弱をつけて揉みしだき、流し目を送ると、笑みを深くした男の節くれだった指が蕾へと。女が性器をしゃぶる水音と、男が蕾を掻き乱す水音がまざりあって酷く卑猥だった。咽かえるアルコールとセックスのにおい。不健全なそれらが死と隣り合わせの戦場において最も健全な薬だった。極彩色の肉欲パーティはまだはじまったばかり。誰も満足なんかしていない。もっとと先をねだるようにもどかしげに腰を揺らせば、男も女も嬉しそうに笑った。

 

07/02/19

 

欲しいだけ

 

名誉の同僚同士で互いの過去を話すことは少ない。皆、過去を棄てて、否、戻る過去を失ったから語らないのだろう。泥を啜ってでも行進することしか赦されない兵士達。その生き方は刹那的だ。過去も未来も無い。ただ瞬間があるだけ。だから貧欲になる。無様だと嘲られようとも。

 

「・・・もっと」

壁に両手をついて、はしたなく男を銜えこみながら、スザクは請う。もっと。もっと。もっと。赤子がミルクをせがむように。幾ら貫かれたって足りない。満たされる日なんて永遠にこない。もっと。もっと。もっと。

 

(ほんとうはなにが欲しかったんだろう)

 

あられもない嬌声に掻き消されてゆく、その感情の名は。

 

07/02/19

 

 

 

 

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